DIY歴35年のTanisanですが、ビスケットジョインターについてはいつも助けられています。
もうこれ無しでは私のDIY木工はあり得ない位の電動工具です!
「そんなにいいの?」と言われるかも知れませんが、「はやい」「きれい」「強度もある」となれば、使わない手はないですね。
実はビスケットジョインターも我が家では2台目です。
初めて使ってみた時からのレポートも載せてみます。
少しでもビスケットジョインターの魅力をつかんで頂けたらと思い書いてみます。
ビスケットジョインターは実はいろいろな呼び方がありますね。
ビスケットジョインター、ビスケットジョイナー、 ビスケットジョイントカッター、ジョイントカッタなどなど。
どれも一緒です。私はビスケットジョインターという言葉を使って書いていきますね。
ビスケットって何ですか?
ビスケットといっても、食べるビスケットではありません。
それはわかりますよね。
ブナ材を圧縮して楕円状に固めたもので、それをビスケットジョインターを使って切り込みを入れ、そこにはめ込むことで木と木をつないでいこうというものです。
実際の写真はこれになります。 小さい順からFF #0 #10 #20の3種類が有り、期待する接合の強さで大きさを使い分けします。目安となるように10円硬貨を置きました。
FFビスケットはPORTER CABLE 557にて専用の刃を使う必要があり、一般的ではありませんが、サイズが小さいので細かい材料に使うことが出来ます。
実際の大きさが比較できるように簡単な表にまとめました。実測なので、メーカーが出しているものとは違うかも知れませんので、参考値として捉えて下さい。
名称 | FF | #0 | #10 | #20 |
厚さ | 3.7 | 3.7 | 3.7 | 3.7 |
横 | 30.5 | 47.0 | 53.0 | 56.0 |
縦 | 13.0 | 15.0 | 19.0 | 23.0 |
切り込み | ||||
長さ | ★ | 59.0 | 66.0 | 70.0 |
深さ | ★ | 10.0 | 12.0 | 14.0 |
切り込みの情報は以前使用していたデウォルトビスケットジョインターによるものです。
FFサイズは専用刃を持っていませんので、測定は出来ていません(★の部分)。
ビスケットの大きさより、長い切り込み量になるので、材料の幅が65ミリくらいなければ、材料からビスケットがはみ出てしまうことになる。
強度が出るのはどうしてか
ビスケットが木工ボンドの水を吸い込んで膨張し、その膨らみにより接合がされます。
試しに、「どのくらい膨張するのか」、#20を水につけて実験してみました。
この方法ではビスケットが束縛を受けることがないので、実際の条件とは全く違うとは
思いますが、興味津々でやってみました。ずいぶん昔にしたもので、写真が小さくてすみません。
結果は、縦、横、厚さ共に約1ミリの膨張を見せました。この大きさになるのに約20分掛かりました。
通常は、ほぼキッチリの切り込みの中でビスケットが膨張し、接着がされるわけですから、十分な接合効果が期待できます。
ビスケットだけではなく、接着面にも木工ボンドが塗られるので、さらに接着の効果が増していきます。
ビスケットジョインターの紹介
ビスケットジョインターは、ブナの圧縮ビスケットを使って簡単に接合するための切り込みを入れる道具です。
いつかは使ってみたかった道具ですが、購入するまでには結構勇気がいりました\(*^▽^*)/
通常は切り込む刃も、中に納められているため安全で刃をあちこちぶつけることも
有りません。木材に当てて、ぐいっと押し込むと切れる仕組みとなってます。 切り込み深さを調整するつまみです。ビスケットの大きさの規格で、#0、#10、#20が有り、それに合わせてつまみを調整します。切り込み高さを調整するつまみです。丸いつまみを回すと上下します。
ゲージの三角マークに合わせると、19ミリパイン材の中心に切り込みが入るようです。
横に寝かせてみると、本体底面にガイドとなる赤いラインが見えます。私は少し赤い線をマジックで継ぎ足しています。
これは、棚板を結合する際に威力を発揮し、ジョイナーを垂直に立てて、切り込みを入れていきます。
角度調節ネジです。私はあまり使いませんが、切り込む角度を設定することで、ベースプレートが指定角に固定されるので、直角以外の接合が出来ます。
ビスケットジョインターで棚板をつける様子
側板の上に、棚板を載せ、動かないようにクランプで固定をします。
ビスケットジョインターで切り込みを入れる位置に墨線を引きます。
続いて水平にして切り込みを入れます。
このように切り込みが入ります。あっという間の出来事です。
写真が両方切り込んでいないものとなっていますが、撮り忘れましたのでイメージだけ捉えて下さい。仮にビスケット入れてみます。
仮り組をして具合を確かめて、問題がなければ木工ボンドを入れて接着し、クランプで圧着をして接合力を高めて終了となります。
このように置いてみても、ビスケットが入っているおかげで倒れず、イメージを出すのに
楽です。あとから横の位置は調整が効くビスケットジョインターですから、切り込み位置を示す墨線もきっちり正確でなくても大丈夫です。
ここがダボ継ぎと違うところですね。(⌒▽⌒)
専用機を使用しないトリマー活用法もあります
トリマーと横溝ビットを利用したビスケットジョインターはバーモントアメリカンなどから販売されていますのでご利用されるのもいいでしょう。。。
「マルチは専用を越えることが出来ない」という言葉があります。確かに言い得ていると思います。
作業が変わるたびに、いちいち付け替えたり、外したりと作業効率があまりよろしくない。
モーター部分が故障したら全部使えないという心配も頭をよぎります。
それでもアマチュア木工を始めたばかりの時は、予算もあまりかけることが出来ない部分もあるので、この選択肢も良いかと思います。
さらに考えるとして、ルーターやトリマーをテーブルの取り付けて作業する方がしっかりした溝が掘る事が出来ます。
使うための条件も少し必要です
ビスケットは垂直方向にずれが出てる(高さが合っていない)と修正が不可能であり、目違いが出てしまいます。
正確な部材揃えが大事です。板の厚さが違うなどは綺麗に接合できない原因ともなりますので、注意が必要です。
材の幅も65ミリ程度はないと、ビスケットがはみ出してしまうと書きましたが、それと同時にベースフレームが空洞となっているので、本体が不安定になります。
それに対して、PORTER CABLE 557は透明の部品を取り付けて、本体のふらつきをおさえることが出来ます。
まとめ、実際に買うに値するかどうか
初めて私が使ったときの感想です!
正直言って、とっても便利でした。苦手だった引き出しも、これを使うとキレイに早く、正確な作業が出来て嬉しい気持ちになりました。
ダボ継ぎは昔からあるポピュラーな方法ですが、この技法は見た目以上に難しく、わずかな狂いがイビツな作品を作ってしまいます。
あとからの修正も難しく、ほとんどが一発勝負の世界です。
ビスケットジョインターは、あとから微調整が出来るだけでも、アマチュアにはもってこいの工具と感じました。(ちょっと値段が張りますが・・・)
買って損はなさそうです(^^ゞ
音についても、静かで他の電動工具と違って長時間にわたって動かすこともありません。
そして回転音もトリマーなどと比べると静かで、気になりません。
電池も充電式ですが一回の充電で充分持ちそうですね。やっぱりコードがないのは、スッキリして良いです。
ゴミについては、集塵ふくろが付いてますので、あまり散らからないですね。。。
私のような素人が、道具を使って正確な作業が実現できるのは、もはや快感です。
このあと、私は使いたいときに充電式であるために電力不足を数多く経験します。
そして現在は交流式の「PORTER CABLE 557」に交換しました。
こんなことが多かったことから、「DIYにおいて、ビスケットジョイントは交流式が良いです」と結論づけてしまっています。